同級生に副業を持ちかけられた話

9月の某日、高校時代のクラスメイトから数年振りに来たLINE(以下、A君)から始まりました。

A「もやし、今暇?」

高校を卒業後、地元から離れ都内に就職したと聞いたA君。久しぶりに地元に帰ってきたから遊びのお誘いかな?とこの時は思っていた。

も「今夕飯食っとるわ。どした?」

A「大事な話があるんだけど。ちょっと話せない?」

予想外。

ラーメン食い行くべ!とかそんな話だと思っていた僕の予想の180度予想外の返信だった。

ひとまずは夕飯のヤサイ普通・アブラ少なめのラーメンを胃袋にぶち込み、LINE通話をかけることに。

大事な話だと言うから深刻なのかと思っていたが、これまた180度予想外だった。予想外すぎて1周してしまったわね。

A「ネットワークビジネスって興味ない?今コロナの影響とかで副業始める人増えてんだ!俺も最初は疑ってたんだけどさぁ、マジでスゴいよ!やるやらないは別にして1度会って直接話せないかな?」

も「あ〜〜、そういう系ね…。いやぁ〜、以前違う奴から怪しい投資の話持ちかけられてさぁ、あんまりそういうのは…」

A「大丈夫だよ、これはネズミ講とかじゃなくてちゃんとしたビジネスだから!

やるかどうかはすぐ決めなくていいからさ、話だけでも聞いてくれないかな?」

ここで大抵の人はやんわりと断るんだろうけど、何故か僕の怖いもの見たさが膨らんできてしまった。

実は僕は3年前にも違う奴から、怪しい海外の機関への投資話を持ちかけられていて、その時も面白半分で話だけ聞きに行っていた。マジで学習しないなコイツは…

も「んじゃ、まぁ、やるやらないは別として、"話を聞くだけ"ならええよ。」

A「マジで!?サンキュー、ありがと!

実はさ、この話したの同級生でももやしだけなんだよ。誰に話そうか考えた結果、もやしが1番分かってくれそうだからさ。」

も(1番カモにしやすそうな奴の間違いでは?)

A「とりあえず、俺のビジネスの先輩も連れてくからさ、じっくり話そうよ!」

おっとぉ?マジか。

以前の投資ん時は紹介者と1対1だったけど、今回は1対2である。うわ〜、やっぱ断ろうかな…

も「ふ〜ん、ま、ええよ。」

はいバカ。なんで断らないかな〜。好奇心には勝てなかったよ…

そんな感じで後日、ありがた〜い儲け話を聞きに行く段取りができてしまった。

前置きが長え。

10月某日、駅近のファミレスに昼前に向かうと、ちょうどA君が待っていてくれた。

も「A久しぶりじゃ〜〜ん(田中摩美々)」

A「久しぶり!来てくれてありがとね!」

も「いいよ〜、どうせ暇だったし。」

普通なら久しぶりの同級生との再開、嬉しいはずなのに全然素直に喜べない。

Aに店内奥の席に案内されると、そこには上下ネイビーのセットアップに良さげなドレスシューズ、アップバングの20代後半くらいの人がいた。

ZARAとかA|Xあたりのアパレルにいそうな爽やかな雰囲気だった。(以下、Bさん)

B「はじめまして、もやし君ですね?Aから話は伺ってます。」

そう言ってお名刺を頂戴する。

名刺を貰うのってアイマス現場以降半年振りだな…とか思いつつ、対面にBさん、隣にAのポジションで着席。

B「あ、ドリンクバー頼んどいたんで、まずは飲み物でもとってきてください!」

それはご丁寧にどうも、と思いつつ野菜ジュースを持ってきていよいよ対話へ。

B「いや〜、もやし君服とかお好きですか?」

も「アッハイソウデスネ、マァ、ハイ、ソウデス。」

A「そうだよな、もやし高校ん時から服とか好きだもんな!」

最初はどこで服買ってるん?とかこの辺どう?住みやすい?お仕事大変?とか世間話から入った。

内心いきなり本題ぶち込まれると思ってたから少し緊張が解れた気がした。それでもヘッタクソな作り笑いで頬の筋肉がピクピクしてたけど。

まあなんやかんやで本題へと入っていった。

B「さて、本題なんだけど、Aから話は聞いてるかな?あっまだ聞いてない?おっけぃ、じゃあ順を追って話すね。」

全部書いていくとちょっとしたSSくらいになってしまうので要所だけまとめて書きます。

・私達は〇〇という会社で、化粧品やサプリメントなど様々な商品を取り扱ってます。

・弊社の商品は広告費とかかけずに商品の製造コストに注ぎ込んでるんで、ハイクオリティです。

・その商品を実際に会員に買って使っていただき、クチコミで商品の良さを広めてもらうのが会員の仕事です。

・あくまでも商品を取り扱っているので、ネズミ講ではありません。ちゃんと法律にも則ってます。

要はCMやらの広告を出さん代わりに会員が商品をレビューすんのか?サクラとか?ステマとか?インフルエンサーにでもやらせときゃええやん?

色々思っていたが、誰かに物を売りつけるとかはしないんか?ならネズミ講とは違うんか…とちょっとだけ僕の警戒心は薄れていた。

B「実際俺も使ってるんだけど、やっぱり市販の物よりも全然いいよ!」

A「俺もプロテイン愛用してるけど効果が違うわ〜」

も「へぇ〜、凄いですね〜^^」

B「ぜひもやし君も会員になって使ってみるといいよ!」

どうやら会員(年会費・登録費合わせて数千円)にならないと商品は買えないらしい。ワシが普段ドンキやウェルシアで買ってる日用品より圧倒的に優れてるとか。そんなに良い物なら無料のテスターとかくれよ、ホントに良い物なら会員になったるわ

B「それで、商品の説明はこの辺にしといて、次は報酬プランの説明なんだけど」

来た!!!本題!!!

この時まで僕は、報酬ってのはレビューした商品の販売元から貰って稼いでいるんだと思っていた。

B「まぁプランは複数あって、まずはプランその1…」

要約すると

・会員は初回は約20,000円〜200,000円までの商品購入プランの内、いずれかを選んで購入する(プラン内容については後述)

・AさんがBさんを会員に誘い入会させると、Aさんには報酬(約5,000円)が入る

・BさんはAさんの下(ダウン)となり、AさんはBさんの上(アップ)と呼ばれるポジションに就く

A→B

・BさんがCさんを入会させると、CさんはBさんのダウンになり、Bさんに報酬(約5,000円)、Aさんにも報酬(3~4,000円)が入る

A→B→C

・更にCさんがDさん、DさんがEさんと入会させると、割合は少なくなっていくが上の人達にも報酬は入り続ける

例・EさんがFさんを入会させた場合

アップ A→B→C→D→E→F ダウン

少額 報酬 多額

・Aさんは一定の世代(Gさん辺りまで)までしか報酬は貰えない。その為、ダウンを直列にバンバン増やすのではなく"枝"を作って分ける

アップ A→B→C→D→E→F→G ダウン

↘H→I→J→K

・上記の商品購入プランにより、枝の本数は決まっている(購入プランにより2~5本)

・入会報酬の他にpt報酬というのがあり、自分の枝の中から1番商品購入ptが多い枝を除き、2番目以降の枝達のptに応じてpt報酬が貰える

・pt報酬は世代の制限は無く、Aさんの場合はGさん以降の世代もカウントされる

・pt報酬を貰うには定期的に商品を購入し、自身も一定額のptを得なければならない

・また勧誘が上手くいかない場合は、自分のアップ又はダウンが新規に勧誘してきた人を譲り受け、ダウンにするか枝分かれにする事もできる。


とりあえずざっとはこんな感じだった。


も「Bさん。ネズミ講の稼ぎ方ってなんだっけ?」

B「ええと…会員を増やして会員費を払わせる事だね」

も「このビジネスでの主な収入源は?」

B「…ダウン達の会員費と購入額だね」

も「もひとつ質問いいかな」


も「さっきの商品クチコミ云々の話、どこにいった?」

タッカーさん「…君のような勘のいいガキは嫌いだよ」


未央「(話が)全然違うじゃん!

言ったよね?主な仕事内容は商品の良さをクチコミで伝える事だって!それがこのビジネスの収入源じゃないならこのビジネスは何!?」

武内P「マルチ商法です。」


はいこれがマルチ商法です。

ネズミ講との違いは、ネズミ講は会員費等の金銭のみのやり取りだけだけど、マルチ商法はあくまで商品の流通があります。

大まかにはそんな感じだけど、やってる事は大して変わらないと思います。

ここ社会か何かのテストに出たぞー。


も「アッ、ナルホド~、ソンナカンジナンデスネ~。」

もう帰りたかった。 その後色々と説明を受けたけどもうほとんど上の空だった。

A「すごくね?この仕組み。俺も最初聞いたとき目ん玉飛び出るかと思ったもん!」

俺も目ん玉飛び出そうだよ。

お前が完全に洗脳されててショックすぎて。SHOCK EYEになってしまった。



とりあえず僕は話を聞きにきただけなので…

やるやらないは別なので…

最初に通話した時に保険をかけといて良かった…

A「もやしさ、ここまで話聞いといて、やらないメリットは無くない?絶対やった方がいいいよ!」

B「俺も最初は1ヶ月くらい悩んだけどね、やるなら絶対に早い方がいい!」

おっとぉ、俺言ったよね?話を聞く"だけ"って。完全にロックオンされてますねこれは。


も「いや〜、こういうのはまた改めて帰ってから考えたいんで…」

B「いや俺も1ヶ月悩んだって言ったけどさ、今考えると無駄に悩んだ1ヶ月だと思ってるよ!」 

A「そうだよ(便乗)これ聞いてやらないやつはバカだと思うよ俺?」

も「それでも今回聞いただけではまだ内容が完全に理解できてないし、じっくり理解する時間が欲しいって言うか…」

B「ならさ、何回でも説明するから近々会おうよ!いつなら空いてる?来週?あっ平日でもいいよ?1,2時間で終わるから!俺がもやしくんの地元まで行くから!」

も「いや平日は残業が多くて厳しいですね。土日も今月は予定入ってんで。」

A「仕事終わった後でも俺らは平気だよ?いつ頃がいい?」


ヤバいな、コイツら絶対に俺を逃がさないつもりだ…まあ簡単に帰してくれるはずはないよな、とは覚悟はしてたけどさ…


も「ん〜、月末なら!多少時間が作れると思うんで、スケジュールが空いた時は連絡します!月末なら!(大事な事なので2回目)」

引いてダメなら押してみる。相手からの提案を断っても譲らないなら、こちらから提案してみる。

B「月末かぁ〜、分かった、その時はAに連絡してもらえるかな?」

も「かしこまり!」

【脱・出・成・功 】幽谷霧子

も「それじゃあ、今日はありがとうございました!勉強になりました!」

B「なら良かったよ^^また会おうね!」

も「あ、ドリンクバー代いくらですか?」

B「400円!」

決して1杯しか飲んでないドリンクバー代をケチる訳ではないけど、散々稼げるやらなんやら言ってたならそこは「それくらい出すよ!」くらいの気概を見せて欲しかったかな。


帰り際、Aから昼飯食いに行こうよ!と呼び止められた。

いやそこはBさんと一緒に帰れよ。とは思ったけどまぁいいよ。ってことで。

車乗った時点で店から出てくるのを待たずに帰ったろうかなとも思ったけど。さすがに可哀想かな。

ファミレスから移動して駅近のインドカレー屋で遅めのランチ。

俺がこのカレー好き!あ、こっちも美味い!って切り替えて喋ってるのにAがちょこちょこマルチ商法の話をぶり返してくるからあんまり気分が良くなかった。

スパイスの効いたインドカレー3種とターメリックライスにクソでかいナン、ラッシーというフルコースなのになんか素直に美味しいと思えなかった。


帰り際、Aから「BさんにもやしのLINE教えていい?」

も「いや悪いけどLINEは友達までしか教えないのよ。友達の友達 以降はちょっと…」

さすがにLINEは嫌だわ。でも追加はされてないだけでアカウント自体は抑えられてそう。そんときゃブロックだな。


A君曰く、「ネズミ講とかの影響でこのビジネスには悪いイメージがあるだろうけど、それは誤解。そういった誤解を解いて、本当の良さを知ってほしい。」らしいわね。

仮に実は真っ当なビジネスだったとするよね。話を聞いた相手は誤解を解いて良さを知ってくれるかもしれないね。

でも大多数の人は、そういった話をされた時点で嫌がるだろうし、最悪絶縁されるよね。

君らがどれだけ良い事と思ってても、世間一般の大多数がそうは思わないよね?って話なんだよな。

少なくとも俺はA君とはマルチ商法を辞めるまでは関わりたくないと思っちゃったよ。

学生時代は友達数人と出かけたりラーメン食いに行った仲なのにな。


まあ本人の自由だから辞めろとは俺からは言わないけど…

知り合いに片っ端から勧誘して、得られる報酬と友達を失うリスクを考えたら俺はやりません。


結局ちょっとしたSSくらい長くなってしまったけど、皆さんの周りでこういう勧誘が来た・やっている人がいるって方への参考にでもなればと思います。

終わりだよー(●・▽・●)もちょやし